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塚田 和明; 永井 泰樹*; 橋本 慎太郎; 湊 太志; 川端 方子*; 初川 雄一*; 橋本 和幸*; 渡辺 智*; 佐伯 秀也*; 本石 章司*
Journal of the Physical Society of Japan, 89(3), p.034201_1 - 034201_7, 2020/03
被引用回数:2 パーセンタイル:22.16(Physics, Multidisciplinary)ポリエチレン遮へい中のZnOに、50MeV重陽子とBeによる()反応で生成した中性子を照射することで、Ga, Ga, Zn、並びにCuの特異な生成を実験的に確認した。特に、ポリエチレン遮へい内で得られた収率は、遮へいなしの実験と比較して、約20倍の収量を示した。一方、鉛遮へい内の金属Zn試料の照射におけるGa, Ga, Zn、並びにCuの収量と、ZnO及び金属Zn試料の照射におけるCu, Ni及びZnの収量は、遮へいによる影響はほとんど受けていない。この実験結果は、遮へい条件を調整することで、中性子反応に限らず陽子反応を含む多様で大量の放射性同位元素を、一度の照射で同時に合成できるという加速器中性子の注目すべき特性を示すものである。また、PHITSコードを利用した生成量予測を試み、本実験結果と比較することで、本生成量の特異性について評価した。
永井 泰樹*; 塚田 和明
Isotope News, (753), p.28 - 32, 2017/10
Cuは"がん患者に、ただ1種類のCuを用いて診断と治療が行える能力を持つ理想的な医療用RIである"と考えられ、患者の"がん細胞と正常細胞への放射性医薬品の集積量を反映する画像化された診断情報"を基に、同じ放射性医薬品を治療に用いることで、患者に最適の治療が可能にするという、"個別化医療"の実現に向けた重要なRIである。そのため、Cu医薬品の実用化を目指して"高品質のCuを大量に製造する"研究開発が、1970年頃から現在に至るまで世界中で行われてきた。しかし、その製造法は未だ確立せず、Cu医薬品の研究開発が停滞する状況が続いている。われわれは、加速器を利用したCuの我が国独自の新しい製造法を提案してきた。そして、新製造法に基づく実験を行い、"高品質のCuが得られること、そして大量に製造できる可能性を有すること"を明らかにした。更に大腸癌を移植したマウスにこのCuを投与した実験を行い、Cuが腫瘍部に顕著に集積することを発見した。本稿では、Cuの新しい製造法及びその特徴、新製造法で製造されたCuを用いた担癌マウスの研究の現状を紹介する。
塚田 和明; 渡辺 智*; 石岡 典子*; 初川 雄一*; 橋本 和幸*; 須郷 由美*; 佐藤 望*; 金 政浩*; 川端 方子*; 佐伯 秀也*; et al.
no journal, ,
核医学用放射性同位体(RI)は、主に癌などに対する高感度の診断及び治療が可能であるため世界中で重用されている。我々は、診断用RIとしてMo-99を、治療用RIとしてY-90を、そして診断・治療の両方に対応できるRIとしての期待が高いCu-64及びCu-67を対象に、安定稼働に定評がある加速器で得られる高速中性子を用いて合成する事を目指した実験的研究を行ってきた。実験は、量子科学技術研究開発機構高崎AVFサイクロトロン及び原子力機構タンデム加速器にて行い、1250MeVの重陽子ビームを炭素あるいはBe標的に照射することで発生する高速中性子を、合成用ターゲット(濃縮Mo-100, Zr-90, Zn-64及びZn-68の酸化物)に照射し合成した。その結果、目的とするRIの生成量評価並びに副生成物に関する情報を得たので報告する。
橋本 和幸*; 川端 方子*; 佐伯 秀也*; 佐藤 俊一*; 塚田 和明; 須郷 由美*; 永井 泰樹*; 初川 雄一*; 石岡 典子*
no journal, ,
Cu(半減期62時間)は、がん治療に適したベータ線(平均エネルギー141keV)と画像化に適した線(185keV)を同時に放出するため、がん治療用核種として有望視されているが、大量に高品質のCuを製造する方法が限られているため、研究開発が限定的である。そこで我々は、高崎量子応用研究所AVFサイクロトロンにて重陽子ビームをベリリウム標的に照射することで発生する高速中性子をZnOに照射することによりCuを製造する手法の開発を行っており、これまでに、動物実験が可能な高品質Cuの分離精製法を確立した。講演では、製造したCuの比放射能を、DOTA標識法により評価したので報告する。